取引先がインボイス制度に対応しているか確認する方法

インボイス制度の導入に伴い、取引先が適格請求書発行事業者として登録されているかどうかが、事業者間の取引において重要な要素となりました。

特に、個人事業主の方にとっては、取引先の登録状況を確認する作業は、新たな負担に感じられるかもしれません。

本記事では、取引先のインボイス登録状況を確認する方法を、実務的な観点から解説します。

それ以前に、相手先のインボイス登録に影響を受けないケースもありますので、そちらも併せてご確認ください。

目次

取引先のインボイス登録状況を確認する必要が無いケース

以下の方は取引先のインボイス登録の有無に影響を受けませんので、慌てて確認する必要はありません。

影響を受けないケース
  • 消費税の免税事業者
  • 消費税の課税事業者で簡易課税制度もしくは2割特例により計算・申告を行う人
  • インボイス少額特例の対象者で一回の取引金額が税込1万円未満(2029年(令和11年)9月30日まで)

通常、取引先がインボイス登録していない場合は、こちら側の計算上不利な影響を及ぼして、結果として事業者の負担が増えてしまうことがあります。

ですが、上記のケースではそもそも計算の必要がなかったり、計算方法により相手先のインボイス登録が関係無かったりなどの理由により不利な影響を受けませんのでひとまず慌てて確認する必要はありません。

ただし、今後の事(自分の状況がどう変わるか分からない)という意味では気にすべき項目ではあります。

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取引先のインボイス登録状況を確認する方法

実務上、新しく取引を始める場合や、請求書等に記載された登録番号に間違いが無いかなどの確認が必要になるケースが考えられます。

取引先がインボイス登録をしているかどうか確認する方法は、それぞれ観点が異なりますが現実的には以下の2つになってくるかなと。

1. 【取引前に知りたい】取引先に登録番号を問い合わせる

メリット

事前に直接的な確認ができる。

デメリット

取引先に負担や圧がかかる。

具体的には、取引先に対して「登録番号の提示や登録状況の確認」を依頼する文書を送付します。

あえて事務的な手続きをとることにより、聞きにくいことでも確認しやすくなります。

この方法は初めて取引を行う、個人事業主やフリーランスに対して取引前に確認したい場合に有効です。

取引後であれば、相手先が登録しているのなら請求書等に記載された登録番号を知ることができるはずです。

2. 【事実確認】国税庁のサイトで登録番号を検索する

請求書等に記載された登録番号に間違いが無いかを確認する方法です。

また、法人の場合は取引前でもこちらの方法が使えます。(法人の登録番号は「T+法人番号」と決まっているため)

フリーランス・個人事業主の場合は登録番号が予測できないため、取引前にこの方法は使えません。

具体的な手順

登録番号に間違いが無いかを確認する理由は以下の2点です。

偽造対策

相手が故意に架空の登録番号を記載していたとしても、確認を怠った場合は仕入税額控除が認められない可能性があります。

制度の理解度

相手が制度を正しく理解しておらず、正しい登録番号を記載していない可能性があります。


個人的な見解としては、悪質な行為でなければ税務調査の際に考慮してもらえる気はします。

ただし、偽造したインボイスの交付を受けて仕入税額控除を行った場合、本人確認を尽くしたことにはならず控除が認められないという見解が国税庁のHPに記載されている以上はそれを言われると何も言えなくなってしまいます。

状況に応じて確認作業をワークフローに組み込む事も考えてみてはいかがでしょうか。

インボイス制度に対する疑問点

インボイス制度は、事務負担の増加など、事業者にとって様々な課題をもたらしています。しかし、決まってしまった以上は制度の趣旨を理解し、適切な対応を行うことが重要です。

今回は、相手がインボイス登録しているかどうかの内容ですが、実務的には自分もきちんと要件を満たした請求書等を発行できているかという点も大事です。

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※私はインボイス制度反対派です。その理由を語るには免税事業者を設定した背景から説明することになり、とても長くなるので割愛しますが…。せめて2割特例永久化くらいはしてほしいものです。



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この記事を書いた人

本業は税理士です。

幸せな人生を目指してポジティブなライフスタイルの共有というコンセプトで自由に書いています。
仕事も人生の豊かさに繋がると思います。仕事柄、事業やデスクワークに関する内容が多いです。

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